日曜劇場「流氷の原」

出演

池内淳子、木村功、夏圭子 ほか

  • 放送未定

渡辺淳一初期の短編小説をドラマ化。池内淳子、木村功、夏圭子出演。演出は1976年の文化庁芸術祭優秀賞を受賞した「幻の町」や「うちのホンカン」を手掛けた守分寿男。1970年制作。
果てしなく広がる流氷。ある女性が溺れて死んだ。亡くなった女性の妹・幸子は、この「事故」に疑いを持っていた。当時、姉と親しい仲だった律子に殺されたのではないか…。実は亡くなった姉と律子は、岡富という男性に好意を持っていた。その後、幸子は亡くなった姉が好意を持っていた岡富と結婚し、家庭を築いていた。ある夜、偶然10年ぶりに岡富と律子が出逢う。場所は霧の千歳空港。律子もまた、東京で家庭を持っていた。2人は10年前の「事故」のことを話す。岡富は律子にプロポーズをしていたのだった。
一人の男性を巡り、3人の女性の思いが複雑に絡み合う。そして「事故」の真相は?
儚い人間の真実を荒漠としてオホーツクの流氷の原と、網走のオホーツク流氷まつり会場のロケーションをはさみながら描いていく。

【ストーリー】
5月の千歳空港は霧に包まれやすい。
父の百箇日を済ませて東京へ帰るため千歳空港に来た律子(池内淳子)は、十年ぶりに岡富(木村功)に再会した。岡富は東京から帰ってくる妻を迎えに来ていたのだが、飛行機は遅れていた。岡富がまだ大学院の学生だった頃、二人は密かな愛をよせあっていた。しかし律子が友人の裕子(夏圭子)を彼に紹介して以来、岡富の心は自分から離れて行くようにしか思えてならなかった。
そんな十年前の二月。オホーツク海沿岸が流氷に覆われた頃、網走の律子の家へ、裕子は妹の幸子(夏圭子・二役)を連れて遊びに来た。
三人で流氷の原を渡り歩いていた時、突然、裕子が足を滑らせて流氷の亀裂にのまれてしまった。足をくじいていた幸子にあとを頼んで、律子は助けを求めに走った。だが助けの人達が駆けつけるまで裕子はもたなかった。幸子は律子がわざと歩いて助けを遅れさせたと疑っている。律子はその時確かに走っていた。だが、律子の中にはもう1人別の律子も…。
律子が岡富のプロポーズを断って商事会社の事務である夫のもとに嫁いだのも、自分自身をさいなむ気持ちの表れだったのかもしれない。
そして裕子の妹・幸子は今、岡富の妻になっているのだ。律子は裕子の事件で自ら身を引いたのだが、決して岡富を忘れ去ったわけではなかった。
律子に断られ、幸子と一緒になった岡富にしても、律子の面影を抱き続けてきたのだ。
十年ぶりの再会に揺れ動く二人の心を乳白色の霧はすっぽりと包み、幸子の乗った飛行機は着陸できず東京へ引き返して行った。人影の無くなった空港で、岡富は宿を案内しようと律子に言う…。

番組基本情報

  • 制作年 : 1970年
  • 全話数 : 1話
  • 制作 : HBC
  • プロデューサー : 船越一幸
  • ディレクター・監督 : 守分寿男
  • 原作 : 渡辺淳一
  • 脚本 : 長谷部慶次
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